王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
今まであたしにとって無縁だった喧嘩という言葉が小野君にとっては日常茶飯事で。
平和主義者でなおかつ臆病者の自分にとって、小野君という存在を少し遠く感じてしまった。
「おい、ここは立ち入り禁止だ」
ぼんやりと青く澄んだ空を見上げていたあたしの背後から、突然聞き覚えのある声がした。
声の主は、ズボンのポケットに片手を突っ込んでこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
太陽の光に反射して、金色の髪の毛がキラキラと綺麗に輝く。
「小野君……」
小野君は制服のポケットから煙草を取り出して火を付けた。
その白い煙はフワッと空に浮かび、風に流されすぐに消えた。