王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
それから数日後。
例の変態が逮捕されたと新聞の地域欄に小さく掲載されていた。
「あの不審者、この前捕まったらしいね」
「うん……。でも、そのせいで小野君が一緒に帰ってくれなくなっちゃった」
「小野君も分かりやすい人だわ。あ、そうだ!そんなことより今日の放課後って暇?」
そんなことって……
あたしにとっては死活問題なんだよぉ。
最近は、放課後が楽しみでしかたなかったのに。
変態おじさんが逮捕されたと同時に、小野君はあたしを家まで送っていってくれなくなった。
また、違う変態おじさんが出るかもしれないのに。
そしたらまた、送ってくれる?
小野君に家まで送っていってもらいたいんじゃない。
あたしはただ、小野君と一分でも一秒でも多くいたいだけなのにな。
「……暇。ものすごい暇!!」
少し意地になりながら答えると、舞子がにこっと満足げに笑った。