空と君へ…
「…バカみたい、私」
あんな奴、生理的に無理だってのに。
でも、気がついたら涙はもう止まっていた。
それが橘のせいなのか、おかげなのかは分からないが、涙がでる時、不安に負けそうな時は必ず頭をよぎっていつの間にか涙が止まる。
何故なのか…。
「その内分かるか」
そんな安易な答えを出し、明日の仕事に備えるべく風呂場に向かった。
真奈美のおかげで幾分気持ちが落ち着いた私はもう、明日の仕事の事ばかりが頭を占めていた。
大事な大切な全てを忘れて…。
私はこの時点で何かを落としていたのかもしれない。