想い出の中の虹
着替えようと立ち上がった俺に向かい、ぶつぶつ言いわけを始めた。

それを軽く流しながら、衣装に着替える。


『誕生日、したいことある?』


『誕生日、どうしたい?』

そう聞いてしまう。

簡単なことだけれど、簡単じゃない。

そう出来れば悩んじゃいない。

ただ少しだけ、悩む自分を不思議がる自分がいることも事実だった。


「優しいのも良いけどさ、過ぎるのは微妙だぞ?」


「あ〜………友姫が優しくないって文句でも言ってんだ?」


「はあ?な、なんで俺だよ。」


「お前、結構照れ屋だかんな。好きだよ〜なんて言わねぇだろ?」


「死んでも言わねぇっつうの。お前、まさか言うの?」


「言うよ。」


「……………。」



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