想い出の中の虹
「はじめまして。AIRの吉永瞭です。」


なんて、突然、アイドル宣言をした日……。

あれから、俺たちは、見えたはずの赤い糸を絡ませながら、やっとここにたどり着いた。

そして、彼女が抱える深い心の傷も、それ以上に優しい心の涙も、俺の宝物になった。


「瞭くん?」


呼ばれた名前に意識を戻す。


「ん?」


不思議そうに見上げる瞳。


「なんか……あった?」


「あぁ………ごめん。何でもない。」


「………瞭くん?」


不思議そうな瞳は、すぐに心配そうな瞳に変わる。


「大丈夫。ちょっと思い出してた。」


「……?」


「美羽と初めてここで逢った日のこと。」


「初めて?………一年……前だ。」




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