想い出の中の虹
「夕飯、どう?」


「良いの?」


「外でも良いよ?その後、どっか行きたいとこあればリクエストどうぞ?」


「ホントに?」


「ホントに。」


こんなありきたりなデートの誘いにもワクワクした瞳を向けてくれる。

正直、いつも我慢させてばかりで申し訳ない気持ちの方が多いのだが、このキラキラした瞳を見ていると、心の底から癒される。

大好きな笑顔。


「行きたい!」


「行く?」


「うん!行く!」


子犬のようにはしゃいで。


「じゃあ、行きたいとこ決めといて。」


「うん!」


嬉しそうに頷く頭を撫でる。

飼い主の気分。


「ねぇ、美羽。」


「ん?」


愛くるしい瞳で見上げられ、我慢の限界。




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