あたし
あなたから…
あれからあたし達はどれくらい歩ったんだろ…
いい加減疲れたって言いかけた時、やっと男の足が止った
「入るよ~っ♪」
男が連れて来たのは落書きが沢山書かれている小さい倉庫…
―ライブハウスだった。
キィーッ
男がドアを開けると煙草のキツイ臭いと一緒にドラムを叩く音が中から溢れ出て来た
「おぉーっ!今日は来るの遅いぢゃん?」
「ん?あぁちょっとね?」
カウンターでお酒を飲んでいた人が男に話しかけた
その声にドラムを叩いていた人やカウンターでお酒を作っていた人が次々にこっちを見てくる
「のんちゃんその子は?」
のんちゃん…?
「さっき拾った仔猫ちゃん♪」
のんちゃんてこの男のことっ?!
どんな名前なんだろ…
あたしがそう考えてるうちにドラムの人があたしの目の前にいた