揺れる虹
「まさか弁当の君とは会ってないだろうな?」


「会ってないです。おかげで痩せちゃった。」


「まだ食べれないのか?」


「少しは食べてるけど…」


「早く弁当の君に会わせてやんないと拒食症っすよ?社長、なんとかしてください?」


中村さんが俺の頭をポンと叩きながら社長に冗談を言う。


「そうか?そんなにきっついか?そうか。うんうん。」


妙に納得したように頷く社長。

アイドルの恋愛を奨励する社長も珍しい。


その代わり、責任とれないことは絶対にするな。

仕事に支障をきたすなら付き合うな。


それが社長のモットー。


「制作発表までの辛抱だ。それが済みゃ、落ち着くさ。」


社長はそう言って、俺のコーヒーを飲み干した。



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