揺れる虹
「…………ごめん。迷惑…だったよね。」
きっと、やっとのことで作り出していただろう笑顔が一瞬で消えた。
「それ、持ってく。」
さっき受け取った小さな包みに手が延びてきた。
それを無くしてしまうわけにはいかない。
体が先に動いていた。
伸びてきた腕をぎゅっと引き寄せ、胸の中に閉じ込めた。
熱い吐息が胸元にたまっていく。
何にも言わずに抱き締めていた。
何にも言えなかったから。
言葉が見付からなかったから。
ただ、今を感じていたかったから。
だんだんと力を抜いて体を預けてくる。
ほんの少しの重さが心地好かった。
「美羽。」
「…………ん?」
髪を撫でながら、そっと襟元に指を這わす。
きっと、やっとのことで作り出していただろう笑顔が一瞬で消えた。
「それ、持ってく。」
さっき受け取った小さな包みに手が延びてきた。
それを無くしてしまうわけにはいかない。
体が先に動いていた。
伸びてきた腕をぎゅっと引き寄せ、胸の中に閉じ込めた。
熱い吐息が胸元にたまっていく。
何にも言わずに抱き締めていた。
何にも言えなかったから。
言葉が見付からなかったから。
ただ、今を感じていたかったから。
だんだんと力を抜いて体を預けてくる。
ほんの少しの重さが心地好かった。
「美羽。」
「…………ん?」
髪を撫でながら、そっと襟元に指を這わす。