sugar voice
勢いよく飛び出して向かった先はもちろんあの場所だが
まだ苛々はおさまらなくて、行く途中に長い廊下があったので意味もなく全速力で突っ走ったら外で走れと先生に怒られた
仕方なくゆっくり廊下を歩いていたら見覚えのある人に追い越されて
「麻山先輩!!」
その後ろ姿に思わず声をかけたら
「……昨日の奴か」
振り返って相変わらず眉間に皺を寄せて私を見る麻山先輩
「架山です!名前覚えて下さいね」
一瞬怯みそうになったがなんとか持ちこたえて、頬を上げてニッコリ笑う
「……そうだな」
私が頑張った最高の笑顔に顔ひとつ変えず、面倒くさそうな顔でそう言うと、前を向いてスタスタと歩き始めた