sugar voice
麻山先輩は私が昨日入り込んだ部屋の前で立ち止まるとドアに手をかけて思い切り横に開いた
ガラガラッ
どこの教室も一緒で、鉄とローラーが擦れているような音と共に開けた視界
ドアを開けたその奥には、既に何人かの生徒が中央にある大きな机の周りを囲むようにして座っていた
先輩が先に中へ入ると
「あっ…仁(マサ)先輩やっときたぁ♪」
一番最初に声をかけたのはやたら元気のいい少し小柄な男の子
男の子は麻山先輩を見ると嬉しそうに顔を綻ばせて腰に手を回すようにして思い切り抱き付いた
「な…」
うそっ!?
あの麻山先輩に抱きつくなんて
私はその有り得ない光景に思わず目を見開く