sugar voice
「結城(ユウキ)…毎回、毎回やめろと言っているのが分からないのかι」
麻山先輩は怒ったような呆れたような口調でそう言うと、結城を無理矢理引っ剥がそうとするがしがみついたまま離れようとしない
先輩は仕方なく結城をそのままにした
「ふふ~ん♪…あれ?先輩の後ろにいる女の子はどちら様?」
勝ち誇った笑みを浮かべる結城…と呼ばれた男の子は私に気付いて麻山先輩の横からちょこんと顔を覗かせた
「あ~…こいつは写真部を見学したいって五月蠅かったから連れてきた」
麻山先輩は顔だけこちらへ向けて私に入ってこいと目配せする
…別に五月蝿く言った覚えは無いし、また名前呼んでくれてないしι
なんて心の叫びはさておいて
私はおずおずと部屋の中へ入ると、ドアをゆっくり閉めた
パタン…