sugar voice
「その髪…と目は…」
本当は聞いちゃいけないのかもと思ったが、興味の方が勝ってしまった
鈴は意味が分からずえっ?と首を傾げたが、すぐに色のことだと思い
「あ~…これは生まれつきかな?お父さんが外国人だから」
そう言ってハハッと笑う鈴は少しばかり寂しそうな顔だった
なんか…いまいちシックリこない
でもあれこれ追及しても意味がないし、初めて会った人に聞かれたら嫌がるだろうと思ってそれ以上何も言わなかった
「えっと…もうこれだけですよね?」
どこを見ても知らない人はいないが、念のためもう一度言う
「あとは遅刻している奴が一人。確かアイツも一年だったような…確か名前は…」
麻山先輩が言い終わる前にタイミング良くドアの開く音がして
「遅れてすいません」
そう言いながら頭を下げると、学校でおそらく一人しかいないだろう真っ赤な髪がフワリと揺れた