sugar voice


「では、…」


私達が座るのを確認すると、担任は生徒名簿を開いて女性にしては大きな声で名前を呼び始めた


ちなみに私の席は窓際の一番後ろの席で、幸運にも翠は私の前


「やったね♪」
「うん♪」



そう言っている間も次々と名前が呼ばれていく…

当然ながら私達の名前も呼ばれて


「柳井…柳井和也(ヤナイ カズヤ)君は欠席ですか?」

最後の1人で先生が再度その男の名前を呼ぶが、返事がない


空いているのは私の横の机と椅子のみ

どうやら隣の席が柳井と言う人らしい


翠は後ろを向いて


「ねぇ…菜月の横の席って…」


翠が言いかけた時、


ガラガラ

ドアの開く音がして


「遅れてすみません」


いつか聞いたあの低い声が教室に響いた


< 12 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop