sugar voice

「………」

私が痛そうに頭をおさえていたらふと、麻山先輩の視線に気がついて

「あの…なにか私に付いてますか?」


何も言わず眉を潜めたままただじっと私を見つめる先輩に首を傾げて思わず苦笑い



「いや、変わった奴だな…と思って」

ほんの少し麻山先輩の顔が緩んだ


「そうですか?」

普通だと思うんだけどι

「いや何でもない、気にするな。話は変わるが…お前、柳井と友達みたいだが…何かあったのか?」

「えっ…」

"柳井"という言葉にドクンと心臓が跳ねた


「友達というか…クラスが一緒っていうだけで…ただの知り合いです。それに、何もありません。なんでそう思ったんですか?」

あながち間違ってはいないんだけど

ほっぺにチューされましたなんて言えないしι


「…直感?」

「そうなんですかι」

麻山先輩は鋭い

「あの、麻山先輩…柳井君のことは知っているんですか?」

今度は私から質問をすればすぐに返事が返ってきた

「柳井がsugar nightのメンバーの一人だということか?」


「…はい」

やっぱり知ってたんだ


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