sugar voice


………あれ?

パラリパラリと薄くて透明なシートを捲っていくが

「これだけ…ですか?」

どうやら入っているのは1ページ目に入ってあるこの一枚だけだった

「ああ、最近あった写真展に出品したそれしか持っていない。他にも良い写真はあったんだが…どれも見せれるほど良いものじゃないってどうも見せたがらない」

いつの間に淹れたのか、可愛らしいティーカップをこれまた可愛らしい花柄のお皿の上にのせて

「飲め」

と一言いって差し出してきた

「あ、ありがとうございます」

私はお礼を言うと、お皿ごと受け取ってこぼさないようにゆっくり机に置いた

ちょ…



余りにも似合わなさすぎる!!

あのしかめっ面にあれはかなりヤバい


私はそのギャップに肩を揺らしながら笑いを堪えるのに必死で


それを見た麻山先輩は慌てたようにコホンと咳払いをして

「おい、勘違いするなよ!!これは宮沢の趣味だ。新しい奴が来たら出せって五月蠅いんだよι別にこういうものが好きとかではない」

淡々と言うものも…必死にあれこれ弁解する麻山先輩が余りにも滑稽でついに吹き出してしまった

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