sugar voice

-なんだよ-柳井side





「明日の準備があるんで帰ります」



「あっ…お……井!!」


麻山先輩の言葉なんて聞いていられず、俺は鞄とカメラを持って部室を飛び出した


「…なによ」

架山の悲しそうな顔をみないまま


――――――…‥


「…これからどうすっかなぁ」

俺は何回も携帯をパタパタ閉じたり開いたりしながら靴箱へ向かう

部室から出て行ったはいいが、明日の準備なんてとっくにしている


リハーサルは明日だし…


『あれ…sugar nightのカズくんだよね?』

『あっ…!!本当にこの学校にいたんだ♪』

『ちょっと声かけてみない?』


靴箱の前にいたのは結構可愛らしい数人の女の子

女の子は俺を見ると、目の色を変えてもの凄い速さでこちらへ向かってきた

『あのっ…sugar nightのカズさんですよね?』

「えっ?そうだけど」

あまりにも突然すぎて逃げる間もなく若干引き気味になる俺

『私達、カズさんの大ファンなんです♪』

『明日のライブ絶対行きますね!!』


「…ライブ…」


'よかったら瑞希先輩このチケットいります?'

'それは…'


「……ッ」

途端にさっき架山が言ったあの言葉が頭の中でこだまする




なんだよ

そんなに俺がいるライブに行きたくないのかよ


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