sugar voice
「…じゃなくて悪かったな」
ククッとくぐもった笑い声をだすと唐突に頭をシバかれた
「おい!!俺はそんなに欲求不満に見えてたのかよ!?」
心外だと言わんばかりに声を荒げる颯斗にまた吹き出した
「いや、冗談だから。俺は純粋に颯斗+αと一緒にカラオケに行きたかっただけだから」
「どうだか…そういう割には女の子からチューされまくってたじゃんか」
口を尖らせて皮肉っぽく言う
「ああいうのはリップサービス(社交辞令)だろ?」
「……は?」
さらりと言われてあんぐりと口を開ける
「…まぁ…お前の日本人離れした感覚は今に始まった訳じゃないしな」
はっ…と気づいたかのようにうんうん頷いて無理矢理納得していた
…こういう性格だからコイツとつるむのがやめられない
「…帰るか」
「おぅ」
俺が言えば颯斗は軽く頷いて
俺達は街灯の淡い灯りに照らされながら歩いて帰った