sugar voice



「……あ」



ふと、ベッドの横にある黄色いチェストの上を見れば2枚のライブチケットが置いてあった







「そういえば…」


今日はsugar nightのライブの日だっけ…


お母さんがすっごく楽しみにしていたsugar nightのライブ




「お母さん。」


まだ、間に合う


「ライブ行ってきなよ」

「えっ…?…でも」


「大丈夫。私はもう元気だから、私の分まで楽しんできて」


再度行くように促せば、遠慮がちに笑って



「…ありがと」

そう言って二枚あるうちの一枚を手に取ると、部屋を出ていった



後からドタドタと勢いよく階段を駆け下りる音が聞こえてきて

やっぱり行きたかったんだなぁと思いクスッと笑った



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