sugar voice

-説教なんて-柳井side






車の中で延々とお説教を聞かされた後、会場に着けばすぐさま俺を車から強引に引っ張り出して


不格好な人形のようにズルズルと引きずられながら会場の裏から中へ入った











おいッ!!どこに行ってたんだ!?」

中へ入った瞬間待ちわびていたかのようにシンが仁王立ちで立っていて謝る暇もなく怒鳴られた




「…学校」

渋々答えればシンの隣にいたヒロにあからさまに溜め息をつかれて


「なんでまた…兎に角、急がないとライブまで時間がない。早くこれに着替えて」

そう言ってヒロに渡された物は煌びやかで艶やかな赤色の衣装だった

みんなを見れば既にそれぞれの衣装に着替えていることに今更気づく

リハーサルの時には着ていなかったから、この衣装をみるのは初めてだ…

「着替える場所はあっちだから。そこにスタイリストさんとかメイクさんもいるからね」

それから耳元でバーカと言われたが言い返す気にもなれず

「…ああ、分かった」

軽く頷くと俺はナツが指差した場所にわき目も振らず一目散に走り出した



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