sugar voice
ナツのかけ声を聞いて、俺達は湧き上がる歓声の中へと足を踏み入れた
歓声なんて掻き消すような爆発音と共に俺達はライトアップされたステージの上に躍り出る
今回のライブは以前より規模が小さめ
というのも、ごくわずかの人のみが招待されて
しかも超至近距離で俺達の歌を聞けるというまさに夢のようなライブ…らしい
『キャー出てきたわぁ!!』
『待ってました♪』
俺達が登場すれば立ち上がってさらに激しくなるファンの人々の溢れんばかりの黄色い声
この瞬間が俺はたまらなく好きだったりする
「みんなぁ~遅れちゃってゴメンね☆誰かさんがちょ~っと手間取っちゃって」
誰かさんというのは明らかに俺だろうな…チラチラ見てるし
「すいませーん。俺のせいでーすι」
ばつが悪そうに頬を掻きながらチロッと舌を出せばファンはたまらず可愛い…と声をあげる
俺が可愛い筈ないだろッと言いたくなったが、寸前のところで言葉を呑んだ
…空席を見つけた