sugar voice

-無我夢中-菜月side

――――――――…‥





'ピィー--ッ'








駅員さんの鳴らす笛と共にドアが固く閉められる

「…」


数秒もしないうちにガタンゴトンと音に合わせて電車が動き出す



私は一番出口に近い席を探そうと辺りを見渡す。この時間帯はあまり人が乗らないせいか案外すぐに見つけることが出来てそこへゆったり腰掛けた


電車を何本も乗り継いでまで向かっている先はアイツのいる…sugar nightのライブ会場


焦る気持ちを抑えて、窓の外を見る


建物や街頭の明かりが目に映っては奥へと消えての繰り返しで

空を見上げれば夜空に半分欠けた月がぼんやりと浮かんでいた


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