sugar voice


「カズ…?」


ナツは心配そうにチラリとこちらを向いたが、大丈夫だと言うようにニカッと歯を見せて笑えば、困ったような顔をして笑い返してくれた


何をしているんだ

今はライブに集中する時なんだから


架山の事は後回し


それにこれ以上みんなに迷惑はかけられない




俺は大きく深呼吸をするとベースの弦に手をかけた








「………ッ」




…やっぱ無理だ





今からは


架山の為に弾きたい


架山がどんな想いを抱いてここに来たかは分からない


だけど




架山がどんな思いをしてここに来たかはあの格好を見ればすぐに分かった


だから


俺は俺なりに

このライブで応えようと思った



「いくよカズッ!!」

「おぅッ!!」








この想いを

音にのせて





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