sugar voice




「…なんで来たんだよ」


刺々しい言い方


なんだか自分が突き放されたような気がした


「ごめん」


柳井に会いたかった


なんて言える筈もなく、途方に暮れて下を俯く


「謝ってもらおうなんて思ってない。俺の質問に答えろ」


背中を向けていてもひしひしと伝わる

有無を言わせない柳井の威圧感


声からして怒っているのだろう


「……だ…て」

「は?聞こえねぇ…」





「見たかったの!!柳井が出てるライブに!!」




会場に来て、
柳井を見つけて

ずっと言いたかった言葉

声が自然と大きくなった



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