sugar voice

心地よい温もり-菜月side-



――――――――…‥



ふわふわと宙に浮いているような感覚


目を閉じたまま足を動かしてみるがまるで重量がなく、地に足をついている感触がしない



「ん……」

恐る恐る目を開けてまず視界に映ったのは


蛍光灯の光と

鮮やかな赤だった


「や…ない?」

「ん?あ、起きたか」


声に気がついた柳井は私を見下ろして安心したように柔らかい笑みを浮かべた


「ここは…?」

「まぁ…関係者専用通路みたいなもの。ちなみに今は移動中」


そう言ってニッと笑うと、顔を前へ向けた




移動してる?

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