sugar voice
不思議に思い、徐に顔を横へ向ける
目の前に広がるのは清潔感溢れる真っ白な廊下
壁の所々に四角の窪みがあり、その窪みには綺麗な観葉植物がちょこんと置かれている
それだけじゃない
目に映る全てが前から後ろへ消えていくのだ
あー…
前に進んでいるんだ…私
なんて、未だにボーッとした頭で他人事のようにそう思った
でもなんで進んでいるの?
自分の足は相変わらず宙ぶらりんの状態なのに
ふと、疑問に思い柳井に問いかけてみれば、柳井はクスッと笑い
「まだ寝ぼけてんのか?俺がお前を抱いてるんだけど」
「あー…抱っこね」
わかった~♪って子供のように手をあげる
「…あのな」
本当にどういう状況か分かってるか?って、呆れたように苦笑した
「…え?」
わかってるよ?
自分が横になってるから多分お姫様抱っこだよね?
ん?
なんで抱っこされてるの?
てか、これは…