sugar voice



不思議に思い、徐に顔を横へ向ける



目の前に広がるのは清潔感溢れる真っ白な廊下

壁の所々に四角の窪みがあり、その窪みには綺麗な観葉植物がちょこんと置かれている



それだけじゃない

目に映る全てが前から後ろへ消えていくのだ


あー…

前に進んでいるんだ…私

なんて、未だにボーッとした頭で他人事のようにそう思った


でもなんで進んでいるの?

自分の足は相変わらず宙ぶらりんの状態なのに


ふと、疑問に思い柳井に問いかけてみれば、柳井はクスッと笑い


「まだ寝ぼけてんのか?俺がお前を抱いてるんだけど」


「あー…抱っこね」

わかった~♪って子供のように手をあげる



「…あのな」

本当にどういう状況か分かってるか?って、呆れたように苦笑した


「…え?」

わかってるよ?

自分が横になってるから多分お姫様抱っこだよね?




ん?

なんで抱っこされてるの?


てか、これは…


< 260 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop