sugar voice


頭が冴え始めてきた私はようやくこの状況がいかに恥ずかしいか分かってき始めた



「なんで…こんな…と、とにかく降ろしてよ!!」

赤くなった顔を見られたくなくて、すぐさま顔を横に向ける


「やっと理解したか…だけど、それは無理な要求だな」

可笑しそうにクスッと笑ったが、すぐに真剣な顔つきになる


「どうして?」


「熱があるんだよ。多分…風邪がぶり返してきたんだろうな。とても歩ける状態じゃない。だから連れ出した俺が責任を持って送り届ける」


「…柳井」

私は顔を柳井へ向け、ジッと見据えた


確かに最初よりも頭が酷く痛むし、体が鉛のように重い


でもそれは私が無理やり勝手に来て、勝手に風邪をこじらせちゃっただけなのに…



柳井の気遣いがすごく嬉しかった


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