sugar voice


「おい、女。降りろ」

顎で指図されてムカついたが悪いのはどう考えても私なのでどうしようもない

「…はい。柳井下ろして?」

ポンポンと肩を叩いてお願いするが、下ろそうとする気配がない

柳井…?



「架山は俺が送ります」

「えっ!?」

笹倉さんの話聞いてた!?

予想外の言葉に私は目を白黒させる



「あのなぁ…」

片手で頭を抑えて柳井を睨むと小さな声でめんどくせぇ…と呟いた


「頭冷やせ馬鹿。もし、お前がその女と一緒に行って見つかってみろ?お客様はどう思う?今度こそ冗談じゃ通用しねぇぞ!!」

「……ッ」

廊下に響く笹倉の怒鳴り声


柳井は何も言えず息を詰めた


「………」

やがて深く息を吐くと、すいません…と一言いって慎重に下ろしてくれた

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