sugar voice
「おーい。生きてるかー?今日の部活どうするの」
机に頭をうずめている私の肩をポンポン叩いて生存確認する
「…ん?いま何時?」
「いま何時って…ιもう放課後ですよ。菜月さん」
目を擦りながら呑気に欠伸を噛み締めていたら翠が眉を顰めて自分の鞄をぐりぐり押し付けてきた
ちょっと痛いι
周りを見れば生徒はいなく、既に下校したか部活に行ったのだろう
何となく外の音に耳を傾けてみれば、陸上部のパンッというピストルの音と野球部の掛け声が聞こえてきた
「ハァ…話戻すけど部活は行くの?行かないの?」
部活…
「…行く。みんなに謝りたい」
みんなと顔合わすのは気まずいけど
私の言動で部室の空気悪くしちゃったんだし…なにより部長である麻山先輩に迷惑かけた
頭を下げるのが当然の事だと思う
「そっか。でもそんな生気の抜けきった顔で行かないでよ?謝る前にみんな逃げちゃうから」
冗談混じりに笑って優しく私の手を取ると、小さな包み紙を握らせた