sugar voice



「喧嘩するほど仲が良いってヤツかな?」


瑞希先輩は二人を見て苦笑した

「そうですね」

なんだかんだで結構仲良しなんだと思う


きっと次の日も部活に来たらまたこんな言い争いが始まっているだろうな

「…フフッ」


「え、そんなに可笑しかった?」


「いや、結局麻山先輩が折れちゃうだろうな…って思って」

「あ~…アイツは清水には甘いからねぇ~」

「ハッ…まさかそっちの気があるんじゃ…」


「おい、お前ら聞こえてるぞ」


物凄い速さで顔を此方に向けると、不機嫌オーラ全開(清水先輩付き)で私達を睨む麻山先輩


こ…怖っ!!!


「アハハ…ι」

「僕は全然大歓迎だよ。ね?仁せーんぱぃ♪」


「黙れ。お前が喋ったらややこしくなる。

それより架山、お前には他に謝る奴がいるだろう?今日は来てないがな」


「え…と」

急に話を振られ、口をモゴモゴさせる


多分柳井の事だよね…

実はライブに行って柳井に会いました…なんて言える筈もなく


「あー…はい。アイツが部活に来たら真っ先に謝ります」



苦笑しながらごまかすと、棚に置いてある自分のカメラに手を伸ばした


「うわぁ…結構埃被ってる」

「まぁ…3日も休めば埃も付くわよ。管理は自分でするんだからね。」

私のカメラを覗き込みながらニコッと笑う


…ごもっともですι




「……あれ?」

ふと、私のカメラの隣にはいつも柳井の年季の入ったカメラが置いてある筈なのに何もないことに気が付いた


「柳井は部活に来たんですか?」




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