sugar voice
 

あのとき着ていたジャージ…


なりふり構わず柳井だけを追いかけてライブに向かった

そんな私を柳井は助けてくれて

沢山話して

それから



「また明日って…」

言ってくれたのに

次の日から、来れなくなって

「……私の…せい」

また涙が溢れそうになったけどこれ以上泣いたって仕方ないと頭を切り替える

それでも少し零れてしまった涙は服の裾で乱暴に拭き取った

「………」

考えるのはあの写真のこと

いつ撮られたんだろう…全然気付かなかった

あそこは関係者以外入れない所の筈…だとすれば今人気のsugar nightに何か恨みのある関係者の誰か…?

なんて、高校生の私には誰でも思い付くような単純な考えしか思い付かない

「ハァ…」

やっぱりここで大人しく学校生活をやっていくしか無いのかな…

そう思い始めていたら



~♪~♪♪~

携帯の着信音が鳴り響き、画面のディスプレイを確認するが見知らぬ番号に首を傾げる

「誰だろ…こんな時間に」

とりあえず電話を取るべきかな…

悩んだ挙げ句、通話ボタンを押して一呼吸置くと、ゆっくりと口を開いた








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