sugar voice


第一印象がとてつもなく悪いせいか全く冗談に聞こえない


そうこうしている間にも刻一刻とタイムリミットは迫ってきていて

ハッと我に返り急いで鞄にものを詰め込み教室を出ようとしたがすぐに踏みとどまる

あ…そういえば教室の清掃当番が当たってたんだったι


くるりと体を今から帰ろうとしている翠へ向け、後ろからガシッと肩を掴む

「ひゃっ!?な、なに!?」

「ゴメン翠っ!!今日の掃除代わってくれない?」

「え?部活休みだし別にいいけど…」

必死の形相で頼み込む私に若干引きながらもコクリと頷く

「でもどうし…「ありがとっ!!今度クレープ奢るっ!!」

いいかけた翠の言葉を遮って、私は今ならオリンピックも夢じゃないくらいの物凄い速さで教室を出ていった




「また隠し事…かな?」

まぁ…待つって自分で言ったんだから仕方ないか


私の行った後、翠が少し寂しそうな顔でそんなことを呟いていたなんて知る筈もない



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