sugar voice

「笹倉さん…でしたっけ?先日はどうもお世話になりました」

「いえ、こちらこそ」

なんて、お母さんがコーヒーを差し出しながら二人で当たり障りのない会話を交わしている中、私はココアを飲みながら訝しげな目でその様子を眺める

一体笹倉さんは何がしたいのだろう

ちなみにここはリビングで、座っている場所は対面式キッチンの前にある少し大きめのテーブル

対面するようにお母さんと笹倉さん。奴の無言の威圧感に渋々笹倉さんの隣に私が座っている


「……で、御用件は?」

漸くお母さんがここに来た理由を尋ねると、笹倉さんは姿勢を正して真面目な顔付きになった


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