sugar voice
 

「でも、それだけを言うためだけにここへ来る筈はありませんよね?」

私が聞きたかったことを言ったお母さんに、笹倉さんは待ってましたと言わんばかりに口を開いた

「はい。あの写真を撮った人物は架山さんの顔を見た可能性が高い。あらゆる情報網を伝ってこの家を割り出されるのも時間の問題です。そこで提案なのですが」

一呼吸おくとニコッと一級品の営業スマイルを浮かべて

「犯人を見つけ、ほとぼりがさめるまで架山さんをしばらくこちらで預からせてはもらえないでしょうか?」


「ぶっ!!ごほごほっ…」

今度こそ盛大にココアを吹き出してしまった

お母さんはどうしたのよ?と呆れたように言いながらキッチンにあった布巾とタオルを持ってきてくれて、笹倉さんにはハッと鼻で笑われた

あんたのせいでしょうが!!

キッと睨むが全く効果は無く…それどころか二人は私の存在を無視して話を進め始めた


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