sugar voice
「あれがナツね…」
私はうんうん頷きながら3人目に目を移す
「今日はここにいるみんなに」
漆を塗ったかのような艶のある真っ黒の髪をした男は穏やかな口調で話すと微笑して最後の男へ視線を向ける
「あれはヒロだな」
真澄が黒髪の男を見ながらボソリと呟く
あれがヒロ…
肩ぐらいの黒髪を後ろの下の方で結ってあり
年は…私達より年上かな?
お洒落な眼鏡を掛けているからなんだか 知的で大人っぽい
優しそうな目をしていて翠みたいにしっかりしてそう
なんて友達と比較しながら最後の1人へ目を向ける
「俺達の最高の歌を贈ります」
最後のひとりは
一際輝く金色の髪に鮮やかな金色の瞳
腰まであるその長い髪が揺れる度にステージのライトに反射してキラキラ輝いている
まるで宝石を身にまとっているようだ
「………シン」
みんな格好よくて魅力的だけど
けど…何だろう
この人だけ何か違う感じがする
ほんの少し目があっただけで
ほんの少し声を聞いただけで
一瞬で惹きつけられる…そんな不思議な魅力がシンにはあった