sugar voice
voice⑤-暗闇の中で-
-馬鹿みたい-菜月side
「……ふぁぁ」
アイツのした事は寝て忘れようと思って布団に入って目を瞑ったけど結局寝れなくて
気がつけば朝になっていた
「…最悪ι」
洗面台の鏡で自分の顔を見て思わず呟いた
目にはくっきり隈が出来ていて
いくら擦っても蒸しタオルで目を覆っても効果無し
仕方ない…
着替えを済ませると、重い足取りで下に降りていった
「おはよう」
「おはよー菜月」
リビングにいたのは何故かお父さんだけで…でも、テーブルには美味しそうな朝食が並んでいた
「お母さんは?」
「あー…俺が朝まで頑張りすぎちゃったからお母さん腰痛いらしくて…代わりに朝食作った」
「………そぅι」
そう言って嬉しそうにヘラッと笑うお父さんに呆れて軽くため息をついた
よく娘の前でサラッと言えちゃうよなぁ~
私はさっさとご飯を食べ終えて
「行ってきまーす」
玄関でそう言うと…フラフラと寝室からお母さんがでてきた
「いってらっひゃ~い」
大きな欠伸をかいて痛そうに腰をさすりながらもニッコリ笑っているお母さんと
「いってらっしゃい」
ブンブン手を振る元気なお父さんに見送られて家を出た
―――――――…‥
今日はまだ時間にゆとりがあるからゆっくり歩いていたら
「おっはよー菜月♪」
「おゎっ!!」
不意に後ろから肩を軽くポンッと叩かれたから思わずビクッとなって
振り向けばいつも通りニコニコ顔の翠がいた