sugar voice
―――――――…‥
キーンコーンカーンコーン
「はぁ~」
お昼のチャイムが鳴り響いて
ようやく柳井ファン達が私の席から離れてくれた
「大丈夫?」
翠が私の机と引っ付けながら心配そうに顔色をうかがう
「なんとか…」
酷く疲れた声でそう言うと私は机に俯せになる
なんとかみんなの誤解は解けたけどかなりの時間と労力を使った
これもぜんぶ…
私は顔を横に向けて、ベランダで呑気に女の子と一緒にわいわい昼食を食べている奴を睨みつける
柳井は私に気付くと、教室の中に入ってきて私の席の前まできた
「さっきはよくもやってくれたわね」
ふつふつと湧き上がる怒りを抑えながらできるだけ冷静に話しかける
「昨日のビンタのお返し。これでおあいこ」
柳井は自分の席にドカッと座ると、私を見て嘲笑した
「ムカつくわね」
「可愛くないな」
………(怒)
「そもそもなんでこんな学校に来たのよ!!」
「芸能学校だと俺がミュージシャンだって女の子に自慢が出来ないから」
「はぃ!?」
サラッと…ごく自然に言ってのける柳井に私はしばらく呆気にとられた
…なんでこんな奴がsugar nightの一員なんだろうι