sugar voice
私はドアノブに掛けた手を離して、窓際で立ち尽くしたままの先輩に近付いた
「顔…あげてください」
出来るだけ穏やかな声でそう言うと、麻山先輩はゆっくり顔をあげて私と視線を絡める
まじまじと見ればまた胸が高鳴った
すうっと伸びる長い鼻に細い顎
ピンク色をした薄い唇
獣のような鋭い目つき
真っ直ぐ私を見つめる澄んだ瞳
…もしかして
「意外と格好いい?」
「…は?」
意味が分からず険しい顔をする麻山先輩を見て慌てて自分の口をおさえる
「何でもないです///」
熱い顔を冷ますようにして首を横に振った