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東京からの転校生。
「今日は、４年３組に新しいお友達がやってきます！」

先生の一言でクラス全員がざわつき始めた。
’転校生’という響きは、なんかかっこいい・・・気がする。
しかもかの有名な「東京」からやってきたと言うじゃないか。

朝っぱらからみんなでサッカーをして、汗でぬれた前髪をおでこに張り付けた大宅大貴は、キラキラした目でもうすぐ転校生が入って来るであろう入口を見ている。

「では、はい、まりちゃん、おいで。」

先生が入口に向かって声をかけると、恥ずかしそうに女の子が入って来た。

「では、自己紹介をどうぞ。」

「え、あ、とっ東京から来ました、雛野まりです。よろしくお願いします。」

ペコリと頭を下げる「雛野まり」なる人物は、やはりオーラが違う・・・気がする。
いや、やっぱり違わない、同じクラスの女子と同じだ。

大貴がそんなことを思っていると先生が言った。

「じゃあみんな、まりちゃんと仲良くしてあげてね。で、まりちゃんの席は大貴くんの隣です！」

「うぇあ？！」

大貴は突然自分の名前を呼ばれて変な声を出した。

「うぇあ？！じゃないの、今隣の席が空いてるのは大貴くんだけだから。よろしくね。」

「そっか。おっしゃ、了解っす～」

大貴の気の抜けた返事にクラスの何人かが笑った。

「はい、じゃあまりちゃん、大貴くんの隣に座ってね。」

「はい。」

そして、東京からの転校生、雛野まりが大貴の隣の席に座った。
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表紙・目次

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