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まり

N高受けたいって言ったとき、笑われるかなって思った。
だってまりがN高なんて、ぶっちゃけ無理って思ってたから。

自分でもわかってたよ、でもね?
不安だったんだ、大貴と慎吾がいない高校生活が。

中学の3年間、大貴と慎吾には相当支えられてきた。
小学生のころ東京から転校してきたってだけで、「都会人ぶってる」とか言われていじめられたときも、大貴と慎吾は側にいてくれた。


お世話になるばっかじゃなくて、なにかしてあげたかった。
でもできなくて、だったらまたお世話になりながらゆっくり恩返ししようって思った。


ノリみたいな雰囲気で「じゃあまりも」って言った時、怖かった。

大貴が、慎吾が、「まりがN高?無理だって~」って笑うかも知れないって思ったから。
心の中で、「またまりとつるまなきゃいけないのか?」って思うかもしれないって思ったから。


でも慎吾は賛成してくれた。
大貴は、驚いた感じだったけど、絶対笑わなかった。
真剣に勉強教えてくれた。


2人に応えるつもりで、まり頑張ったんだよ。
言わないけどね、かなり勉強したんだから。



自分に自信も付いた、イケるよね。

「たまらねえええええええ!!!」
「たっ、たまらねえええええええ!!!」

隣の掲示板から聞こえた2人の声。


受かったんだ。
まりも!


「156番だ、こいっ。」

一回ギュッと目をつぶってから、掲示板へと目を向ける。
緊張はしなかった。

「こいっ、こいっ、」

口が勝手に動く。
そして目は、目指す数字を捕らえた。

「150、・・・156!あったあ!!!」

見た瞬間に涙が出てきた。
悲しくない涙なんて初めてだよ。

あぁ、こういうときに使うんだ。

「たまんねええええええ!!!」
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