一週間
『…俺…稜子サンが死んじゃうの…嫌だな』

『え?』

『折角出会えたのに…ねぇ…余命を延ばす術は無いの?』

『…私は医者じゃないから…何とも……でも私は、私の人生を真っ当出来るから…悔いはないよ?自ら棄てる命とは違う…【岡部稜子の人生】を最期迄成し遂げる…そもそも、死ぬ事に抵抗が無いわ(笑)』

『…何で…何で笑ってられるの?』

『……死んでも悲しむ人が居ないから…かな…肉親は空の上…もうすぐ私が肉親に会いに行く…ただそれだけ』

『ねぇ…俺は?…俺、稜子サンが死んだら、泣いて悲しむよ?』

『クスッ…昨日、出会ったばかりの、オバサンの為に、陽翔君の涙を流す事ないわ』

私は陽翔君に笑って見せた…陽翔君は、さっきよりも大粒の涙をボロボロ零していた…

陽翔君…私なんかの為に、綺麗な涙を零してくれるんだね…とっても心の優しい人だ…
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