不器用な指先


外に出ようとしたが、泣き顔で更にひどくなった顔をみんなに見せたくなく私が向かったのは上。


夕日が目に痛いほど見れてしまう、この学校で一番空と近い場所。


屋上で一人、私は泣いていた。


好きな人にあんなセリフを言われてしまえばヘコむ程度の話ではすまされない。


完全なる悲痛。

胸が痛くて、嫌な言葉ばかりが頭を巡り、目が涙のせいで開けられない。


「く……ふ、ぅ」


寒かった。
屋上に来た選択を後悔する。


涙が凍りそうなんて考えるほど寒くて。


「っ、し、いの、さ……っ」


心が壊れそうなほどに悲しかった。


彼の名を呼んだのは――ああ、やっぱり私は彼が好きなんだと思う。


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