不器用な指先


天然記念物並みの珍しい物を見れた。


恥じる彼。
魔王性格で、見た目いい男が軽く赤面して私に見られたくないと顔がそっぽを向いた恥じらい姿。


どきゅんと胸に何かが突き刺さる。


趣味じゃない、とはまあ確かに彼が蝶の髪飾りが趣味と言ったら変質者決定だし。


あの場面、同級生たちも私の後ろに立ちまじまじとそれを見ていた彼を目撃したならば、ラブラブだなぁと茶化したくもなるガキたちだ。


つまりは誤解。
誤解が誤解を招いて。


「サーセン」


「その謝りかたを何とかしろ。まあ、分かればいい。とりあえず、中戻るぞ。馬鹿は風邪引かないというのは迷信なんだからな」


嫌みなようで実は優しさ。お前が風邪を引くと心配がある言葉は素直に受け取っておく。


そうして、このプレゼントも。


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