わたしが本当に好きな人
「ノートは必ず取ってください。取り方は自由にしますが、定期的にチェックします。評価については定期考査と平常点に加え、今言ったノートチェックとチェックしている間の小テストも関わってくるのでそのつもりでいてください」
3限、澤先生の国語。
最初の授業なので、今後の授業方針を説明している。
なりたてと言っていたわりには、しっかりとしていて分かりやすい。
わたしはほっとしている。
恋煩い、しかも担任に、などしたことがなかったわたしは、正直授業が手につくかどうか不安だった。
少なくとも授業が全く聴けないわけではなかった。
しかし不安が無くなったわけではない。
これから先生相手にどう接すればいい……
わたしは生徒以上に扱ってもらえるのか……
そもそも、教師に恋したわたしは間違っているのか……
そんなことばかり頭に浮かぶ。
恋「煩い」とはよく言ったもので、本当切なさでどうにかなってしまいそうだ。
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