恋愛=罰ゲーム×嘘


門に出ると、もちろん鈴木くんは門にいるわけで…。


うじうじすんな!自分!


白々しくしゃべりかける!


よしっ!


「あっあれ〜?鈴木くんどっどーしたの?」


「美森さん…待ってたんです」


「えっ?どしどしーて?」


鈴木くんは俯く。


「彼氏…だから、美森さんを家まで……送る…から…」


顔真っ赤じゃん(笑)


耳まで…。


かわいいとこあるじゃん。


「ありがとっ!帰ろっか」


かわいいとこ見たら…なんか素直になれた…気がする。


「なに笑ってるんですか?」


「なぁんにも♪」


耳まで真っ赤だったなんて、鈴木くんには内緒。





「鈴木くんなんかしゃべってよ」


「え?!僕がですか!?ん〜…榊原くんとは…さっき何話してたんですか?」


「南と!?いやっ…別に…なんも…」


キスしたとこ見えたの?


「門で待ってるときに話しかけられたんです。『彼女モテるから簡単に捕られちゃうかもよ』って…」


「なっ…わ…けわかんないね」


「美森さんは榊原くんのとこへ行ってしまうんですか?」


ドキン


実際わからない。


私は南とつきあいたいの?


でも断ろうと思った。


鈴木くんにだって今『うそだよ』って言えば別れられる。


南と付き合うことだってできる。


「美森さん?」


「!?」


鈴木くんの声でハッとする。


「ごめん…」


「僕もごめんなさい。なんか根拠のないような事言ってしまって…」


「いや、いいよ!全然…」


鈴木くんは私の目を見る。


「相談いつでものりますね」


にこっと優しく笑った。


心の奥がなんか暖かい。
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