☆理想の男のタイプはどっち☆


「もう別れてるんだから関係ないでしょ。」


そんな私の言葉にお構いなしの元カレは彼にまで話し掛けて来た。


「あんた本当にこいつと付き合ってんの?どう見てもあんたに似合ってるとは思えねんだけど」


彼は何も言わなかった。彼の様子を見た元カレは追い討ちを掛けるように言った。


「あんたこいつに無理矢理付き合わされてるんだろ?嫌だったらさ、俺がこいつ引き取ってやるよ」


そう言って私の腕を掴み歩こうとした元カレ。私は彼に止めてもらいたかった。


けど今まで好きでもない女に散々付き合わされて来たんだし、今日だって半強制的に買い物に付き合ってもらったから正直彼もうんざりしてるんだと思った。


「付き合ってるよ。だから返してもらう。」


一瞬、彼の言葉が幻聴かとさえ思った。彼は元カレから私を奪うと無言でどこに歩き始めた。


彼があまりにも早く歩くから私はついて行くのがやっとだった。


早足もそうなんだけど、握られた手が痛いのと熱くなっていく自分の体温に気付かれたくなくて私は…。
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