虹のリズム
未熟な鼓動
「瞭、あんときさ、誰みてたの?」
ビールのジョッキ片手に俺の肩を抱きながら塁が聞く。
「社長の横に居たのさ、美羽ちゃんだろ?」
「まぁな。」
酎ハイを飲み干し、塁に言う。
「友姫も来てたじゃん。」
塁の彼女。
ちなみに、俺の同級生でもある。
「じゃ、ダブルデートだったってこと?」
「は?なんでそうなるわけ?」
「彼氏の働く姿を見つめる彼女!」
両手を胸の前で組み、少し斜め上を見つめる。
「今日の塁、素敵っ!」
塁の手を包み込み、調子を合わせる。
細かい会話は聞こえてないだろう周りのスタッフ達がヒューヒューとはやしたてた。
ツアー最終日と言うことで行われている打ち上げ。
もちろん、社長は………いない。