虹のリズム

花道を走りながら、今朝の笑顔を思い出していた。


特別な笑顔を。
















「コーヒーで良い?」


そう言って首を傾げながら聞く。


「あぁ、ごめんな。急に……って毎度のことか。」


「今、煎れるね。」


もうすっかりベッドに入る準備万端整った美羽が笑いながらキッチンへ向かった。

その姿を眺めながら、今日のコンサートを思い出していた。

コンサートは盛り上がり、無事幕を閉じた。

残すは明日のみ。

成功させる自信はあるけれど、心のどこかに、不安があるのも確かだった。












成功と失敗は紙一重。













どれだけ努力をしても、どれだけ自信がついても、絶対に消えない不安。


それがなんなのかは説明できないけれど………











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