蝶々
「それよりさ…日曜日空いてる?」

「…何で」


大体察しはつく。
私は11月の高三のクラスの雰囲気を気にしながら、あえて分からない風を装って乃々香に聞いた。

「玲花大学決まっ…」

「あ…しっ」


乃々香のよく通る声を、しーっという息の音で遮った。
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