蝶々
まだあまり人のいない廊下から、軽い靴音が聞こえてくる。
廊下の一番端にあるこの1組の教室に向かってきているようだ。

教室はまだ暖まっていない。

足音は少しとまり、代わりにロッカーの鍵を開けている音がする。
11月、季節は冬、有名デザイナーがデザインしたという、制服と共に学校自慢のコートを個人ロッカーにしまっているのだろう。


来たかなっ・・・


がらがらっと教室のドアが開く。
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